お盆

お盆

沖縄のお盆は旧暦の7月15日前後の期間、いわゆる旧盆です。そして今年のウークイは8月12日。
ウチナンチューの皆さまにおかれましては大忙しの3が日だと存じます。
お盆の正式名称は、盂蘭盆会(うらぼんえ)または盂蘭盆(うらぼん)というそうです。
この名称は、ペルシャ語で霊魂を意味する「ウラヴァン」が由来だという説もありますが、一般的には「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」というお経が由来であるとされており、「うらぼん」とはサンスクリット語で「逆さ吊りの苦しみ」を意味する「ウラバンナ」からきているといわれています。

仏教の開祖であるお釈迦様の弟子の目連(もくれん)尊者は、ある日、神通力で亡き母が地獄で逆さ吊りの刑をうけていることを知ってしまいます。なんとかして母を救えないかと思い、師のお釈迦様に教えを乞うたところ、お釈迦様は『7月15日(旧暦)に多くの高僧を心から供養すれば、三途の苦しみから救えるでしょう』と伝えました。そこで目連尊者が師のおっしゃる通りに7月15日(旧暦)に数多の高僧を心から供養したところ、母親が無事往生することができたというものです。
このお経が日本に伝わり、旧暦の7月15日に、先祖の恩に感謝して、お墓参りや迎え火などのお盆の行事が始まったといわれています。
日本でお盆が行われたのは、西暦606年に推古天皇が「推古天皇十四年七月十五日斎会」という行事を行ったのがはじめだといわれており、江戸時代以前は、専ら、貴族や武士、僧侶などの上流階級の行事でしたが、江戸時代になるとその風習が庶民の間にも広まりました。
その理由は「ロウソクの普及」にあるといわれています。仏壇や提灯に欠かせないロウソクが大量生産で安価に取得できるようになったことで、日本全国に広がっていきました。そして、お盆は、宗教・宗派や地域によって独自の発展を見せ、現在の姿に至ります。七夕をはじめ、京都の五山の送り火や、長崎の精霊流しなどもお盆の行事だそうです。
そういえば、私の実家の瀬戸内海の離島でも8月16日には島の海岸から灯篭流しが行われていたことを思い出します。祖先に思いを馳せ、弔いながら見送る灯篭が夜の波間に揺れてとても美しかったことを思い出します。
今年も、祖先の方々に思いを馳せ、しっかりとその魂を供養したいと思います。

☐☐☐ きょうの言葉 ☐☐☐

サンスクリット語とは、インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派のインド・アーリア語群に属し、ヴェーダ語に起源を持つ古典言語、および典礼言語で、インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語。文学、哲学、学術、宗教などの分野で広く用いられていました。ヒンドゥー教の礼拝用言語でもあり、大乗仏教でも多くの仏典がこの言語で書かれている...そうです。

典礼言語とは、日常的には用いられず、宗教行為などでのみ用いられる言語のこと。その宗教の経典と不可分な関係にあり、世界中の多くの宗教が程度の差こそあれ、典礼言語を保有している...そうです。

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文責:HP担当 藤原

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