ペンギンの「大量死滅」が起きている

ペンギンの「大量死滅」が起きている

※アイキャッチ画像/iStockフリーイラスト

2023年8月26日付CNN.co.jpの投稿より抜粋

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8月24日の科学誌ネイチャーに発表された報告によると、南極半島西側のベリングスハウゼン海に生息するコウテイペンギンのコロニーを調査した結果、5コロニーのうち4コロニーで昨年、ヒナが全滅していたことが分かった。
研究チームは、630組~3500組のつがいで構成されるコウテイペンギンのコロニー5つについて、2018~22年の衛星画像を使い、繁殖期の個体数をコロニーごとに調査した。
その結果、2022年は4つのコロニーで、ヒナが1羽も生き延びられなかった可能性が高いことが分かった。
コウテイペンギンが巣作りをしてヒナを育てるためには、陸地とつながる安定した海氷を必要とする。
5月~6月にかけて卵が産まれ、孵化(ふか)したヒナは耐水性の羽毛が発達して12月~1月ごろに独り立ちする。
しかし2022年は海氷が例年よりも早く分裂し、一部地域では11月までに完全に消失した。
論文共著者で英南極地域観測所の海鳥生物研究者、ノーマン・ラトクリフ氏によると、海氷が割れる時期が早ければ、ヒナは海に落ちて溺死する。
あるいは流氷に乗って流され、親鳥と離れ離れになって餓死することもある。
この地域のペンギンには「大量死滅」が起きているとラトクリフ氏は警鐘を鳴らす。
ほかに行く場所のないコウテイペンギンにとって、これは特に壊滅的だとラトクリフ氏は言う。
南極の種に詳しいコロラド大学ボールダー校のカサンドラ・ブルックス助教(今回の調査にはかかわっていない)は、
「地球温暖化に伴い、海氷の消失に直接起因するコウテイペンギン絶滅の可能性を裏付ける証拠はどんどん増えている」と述べ、「コウテイペンギンの存続を保証できる機会は狭まりつつある」と危機感を示した。
昨年発表された別の研究では、地球温暖化の原因となる化石燃料汚染を世界が抑制できなければ、コウテイペンギンを筆頭とする南極の在来種の65%が、今世紀末までに姿を消すだろうと予測していた。

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文責:HP担当 藤原
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